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外壁塗装の必要性を解説！メンテナンスしないとどうなる？

家づくりコラム

2024年9月19日

塗料の種類にもよりますが、一般的に外壁塗装は10年周期を目安に行います。外壁塗装は美観維持のためと考える方もいますが、必要な理由はそれだけではありません。メンテナンスを怠ると、見た目だけでなく建物本体にも深刻なダメージを与える可能性があるからです。

今回は外壁塗装が必要な理由や要注意となるサインを紹介し、塗料の種類と費用相場もあわせて解説します。

外壁塗装が必要な理由

外壁塗装が必要な理由は、大きくいえば家の寿命に関わるからです。外壁のメンテナンスを怠ると躯体にまでダメージが及ぶことがあり、遠くない将来、大規模な修繕工事が必要になる可能性も。ここでは外壁塗装によりどのようなメリットが得られるのか、整理してみましょう。

保護効果

外壁塗装には、雨風や紫外線から外壁を守る効果があります。言い換えると、塗装を怠ることで雨風や紫外線による外壁へのダメージが蓄積され、どんどん劣化していくことになるのです。

「見た目が悪くなるだけなら、別に放置してもいいのでは？」と考える方もいるようですが、見た目だけでなく建物の強度や寿命にも影響が及ぶため、外壁塗装による保護効果は無視できません。

防水・遮熱・防藻等の機能を持たせる

外壁塗装により、防水効果が一新されます。外壁自体に高い防水機能はないため、塗装で防水性を高めなければ雨水がしみ込み、外壁を傷める原因になるのです。

なお、防水効果はどの塗料にも共通する機能ですが、塗料の種類によっては遮熱や防藻などの機能もあります。「外壁の塗り替えを機に遮熱もしたい」「北側の外壁はすぐにコケやカビが生えやすいから何とかしたい」などの希望があれば、塗料の機能にも注目するとよいでしょう。

外観の一新

外壁塗装によって、住宅の見た目を変えられるのもメリットです。外壁は年月が経つうちに、色あせや汚れが目立つようになります。メンテナンスを怠ると、そこまで築年数が経っていなくても、古い家のイメージが拭えなくなります。

外壁塗装はイメージを一新するチャンスでもあるため、外観が気になる方は外壁の色を変えるなど外観のカラーデザインを変更することも可能です。

メンテナンス費用を抑えられる

一般的に外壁は、10年ごとの塗り替えが推奨されていますが、これは定期的なメンテナンスの実施が外壁の寿命を延ばすことにつながるからです。反対に放置すると外壁の損傷が早くなり、外壁自体を張り替える大掛かりな工事が必要になります。

もし外壁にクラック（ひび割れ）が生じ、壁内部まで雨水がしみ込むと、柱や梁などの躯体が腐食するなど悪影響を及ぼす可能性があり、莫大な修繕費用が掛かることになってしまいます。つまり定期的な外壁塗装は、結果としてメンテナンス費用を抑えられることにもなるのです。

なお、外壁塗装は足場を組んで施工する必要があるため、屋根の塗り替えも同時に行うとコストを抑えられます。

外壁にこんな現象が見られたら塗装が必要

外壁塗装は10年周期を目安に、とお伝えしていますが、それ以外にも外壁塗装を必要とするサインがあります。ここでは、特にチェックしたい6つの現象を紹介します。

色あせ

外壁の色あせは分かりやすいサインです。毎日見ていると気づきにくいかもしれませんが、周囲の家と比べたり、新築時の写真と見比べたりして外壁の色があせていないか、チェックしてみましょう。

クラック

クラックはひび割れのこと。もし外壁にクラックが見られたら、早急に対応が必要です。先ほど触れたように、クラックから雨漏りが発生すると躯体にも悪影響があるため、すぐにリフォーム業者に相談しましょう。

チョーキング現象

チョーキング現象とは、外壁の塗料に含まれる顔料が粉状になって表面に出てくることをいいます。具体的には外壁を触った際、手に粉が付着すると、このチョーキング現象が起こっていると考えてよいでしょう。

チョーキング現象が起きている外壁は、防水等の保護機能が低下している状態であるため、水がしみ込みやすくなったり、クラックが起きたりする可能性が高まります。

汚れ

雨だれやコケ、排気ガスによる汚れなどで、外壁は汚れていきます。最初は塗料の保護効果で自然に汚れが落ちるものの、時間の経過とともに塗料の効果が薄れ、汚れが落ちにくくなるのです。

汚れはブラシなどでこすると落とせますが、塗料の保護効果が薄れているため、またすぐに汚れてしまいます。状況を改善するには、やはり外壁塗装をしたほうがよいでしょう。

膨れ

外壁塗装が劣化すると、外壁に膨れが生じることもあります。これは外壁そのものが膨れているわけではなく、塗料が膨れているのです。塗料に生じたひび割れなどに雨水が入り込み、ある程度溜まることで膨らみができます。

目地の亀裂や剥がれ

外壁材同士をつなぐために、目地にコーキングが使用されていますが、こちらも経年劣化によって亀裂が生じたり、はがれたりしてきます。そうしてできた隙間から雨水が侵入しやすくなるため、目地の不具合を見つけたらすぐに補修する必要があります。

外壁塗装に使われる塗料の種類と費用相場

外壁塗装工事では、施主が使用する塗料を選択する必要があります。施工業者によって取り扱う塗料は異なりますが、各塗料の特徴や費用相場を知っておくことで、工事を依頼する時に迷いにくくなるでしょう。ここでは主に使用される塗料の特徴と、㎡あたりの費用相場を解説します。

アクリル塗料

おすすめの人：とにかく安く済ませたい人

アクリル塗料は最も安いのがメリットですが、耐用年数が5～8年と短く、耐久性もあまりよいとは言えないため、現在戸建て住宅の外壁塗装に使用されることは少なくなっています。

ウレタン塗料

おすすめの人：価格が安く、次の塗り替えまでに10年ほど持てばよいという人

ウレタン塗料はアクリル塗料に次ぐ安さで、ひと昔前まで主流でした。しかし、10年程度で塗り替えが必要になること、シリコン塗料よりもコストパフォーマンスが悪いことから、現在では戸建て住宅にはあまり使用されなくなっています。

シリコン塗料

おすすめの人：価格・耐久性のバランスを求める人

シリコン塗料は価格と耐久性のバランスがよく、外壁塗装では人気が高くなっています。種類も多いのですが、商品によっては耐用年数が短いものもあるため、施工業者にどんなシリコン塗料を使用しているのかを質問するとよいでしょう。

ラジカル制御型塗料

おすすめの人：淡彩色系の外壁にしたい人

ラジカル制御型塗料は比較的新しく登場した塗料で、チョーキング現象の発生を抑制するという特徴があります。淡彩色系の塗料には酸化チタンという顔料が必要なのですが、これがチョーキング現象の一因となっていました。そこでチョーキング現象を起こしにくい、ラジカル制御型酸化チタンに変更することで、淡彩色系の塗料でもチョーキング現象が起こりにくくしたのです。ただし、商品数が少なく選択肢があまりないのがデメリットです。

ナノテク塗料

おすすめの人：環境に配慮しつつ外壁の美しさを長く保ちたい人

ナノテク塗料とは、色あせや汚れに強い特徴を持つ塗料です。生産段階で二酸化炭素の排出を抑えられる、環境に優しい塗料ですが、商品の種類や施工できる業者が限られます。

セラミック塗料（遮熱・断熱機能）

おすすめの人：家に伝わる熱を和らげたい人

セラミック塗料の中でも遮熱や断熱機能を持つ種類を選択すれば、家に伝わる熱を和らげることができます。壁の断熱性能が低く、夏の暑さに悩んでいる方は、セラミック塗料を選ぶのもおすすめです。ただし、単価が高くなる点と、商品によって耐用年数に差がある点に注意しましょう。

ピュアアクリル塗料

おすすめの人：外壁がモルタルや漆喰の人

ピュアアクリル塗料は弾性があるため、モルタルや漆喰など細かいひび割れが生じやすい外壁に適しています。耐用年数もフッ素と同程度と言われており、高い耐久性を誇ります。ただし、汚れやすく施工業者が限られる点がデメリットです。

フッ素塗料

おすすめの人：20年程度住み続ける予定がある人

フッ素塗料は耐久性に優れており、塗り替えの周期を延ばせるのが特徴です。15～20年程度の耐用年数があり、今の家に20年以上住み続ける予定がある人に適しています。フッ素塗料は単価が高く、広い家に施工するとコストがかなりかかるのですが、メンテナンス周期が長いため、長い目で見るとコストパフォーマンスに優れているといえるでしょう。

光触媒塗料

おすすめの人：日当たりの良い立地に家がある人

光触媒塗料には、太陽光の力で汚れを落とす効果があります。日当たりのいい土地に家があれば、光触媒塗料の効果で外壁の美しさを長く保てるでしょう。しかし裏を返せば、日当たりのよくない立地の場合は、効果が十分に期待できないということになります。

無機塗料

おすすめの人：価格が高くても、美観を長く維持したい人

無機塗料はその名の通り有機物を含まないため、劣化スピードが遅く、耐用年数が20年以上と最も長いのが特徴です。ただし、その分単価も高くなり、導入コストが大きくなります。また、弾性がない無機塗料をひび割れやすいモルタルや漆喰壁に用いると、塗膜も一緒にひび割れるため、これらの外壁への使用はおすすめできません。